60代女性「歯に穴が開いて時々うずく」セラミックとマウスピースで治療した症例

2023.09.12

治療前

術前

 

治療後

術後

 

年齢と性別 60代・女性
ご相談内容 右上の歯(右上4番)に穴が開いて時々うずくとお見えになられました。
カウンセリング・診断結果 拝見すると右上4番の後ろ側の歯質が欠けており、その部分が「穴が開いた」と感じておられることがわかりました。虫歯による歯の欠けの際には欠けた部分に虫歯が残るものですが、虫歯はありませでした。硬いものを噛んだ後などの記憶がご本人にはないため、何かの拍子か慢性的な食いしばり等の強い力によるものと推察しました。
以前から食いしばりを自覚されており、欠けた原因は後者の原因の可能性が高いと判断しました。また歯周病、噛み合わせ、歯の内部の問題が検査では確認できませんでしたので、時々うずく症状は欠けた時の一時的な強い力、または慢性的な食いしばり等の力による外傷性の痛みだと判断しました。
行ったご提案・治療内容 治療も大事ですが同じことが他の歯にも起きる可能性があるため、原因である食いしばり癖による被害の軽減のため、無意識で行っているであろう上下の歯と歯の接触を中止すること、治療後にマウスピース(ナイトガード)を装着することが歯を守るために必要なことをご説明いたしました。

また欠けた部分だけに詰め物を入れても取れやすいため、現在の詰め物を外し欠けた部分を含んだ形の詰め物に入れ替えるご提案をしました。さらに噛みしめや食いしばり等の力に強度的に対抗できる材質(金合金)が理想であることもご説明いたしました。
欠けた歯の治療はご希望になられましたが、金合金の金属色は避けたいとのご希望によりセラミック(e-Max)をご選択されました。

歯に入っていた詰め物を外し、欠けた部分を含めた形に整形後仮の歯をお入れしました。仮の歯で経過を観察して症状が消失するのを確認しました。当初予想していた外力による症状であることが確定したため、歯型をお取りし次のご予約時にセラミック(e-Max)を歯に接着して治療が終了しました。(治療後の写真)
治療後に歯型をお取りして、就寝時を中心に使用するマウスピース(ナイトガード)をお作りしました。

治療期間 約2か月(経過観察期間を含む)
治療回数
費用目安 102,360円(仮歯を含む)
術後の経過・現在の様子 治療後も症状はなく、食生活や日常の問題はみられません。ご自身でも日々噛みしめに気を付けながらマウスピースを装着されておられます。
治療のリスクについて ・治療中に痛みを伴う場合があります
・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります
・治療後は神経が過敏になっているため、痛みが生じる場合があります
クリニックより 男女を問わず多くの方々の食いしばりや噛みしめ癖による弊害が目立ちます。この無意識の行為のコントロールが現在の歯科の大きな課題になっています。
歯に詰めるものを硬くしても、詰め物の下の歯質が割れてきます。歯質の強度を超える力が問題なのであって詰め物の問題ではないため、歯の治療で解決しない問題なのです。

e-maxなど詰め物・被せ物の種類や特徴はこちらをご参照ください。