50代男性「詰め物がかけた」原因の噛みしめ食いしばりに適した治療とその変遷症例

治療前

治療前上顎治療前下顎

 

1回目の治療後

治療後1上顎治療後下顎

 

2回目の治療後

7年後上顎2847_47_治療後

 

 

年齢と性別 50代・男性
ご相談内容 右下の歯(右下7番)が欠けたとお見えになられました。
カウンセリング・診断結果 拝見すると右下7番に詰めてあるプラスチックが欠けていました。噛みしめ癖があるため歯に慢性的な強い力がかかっていることが根本原因だと判断しました。さらにプラスチックは強度が弱いため材質的な変更が必要だとご説明しました。(治療前写真)
簡単に言い換えると、歯より硬い銀歯が上下の奥歯に入っている中に、1本だけ弱いプラスチックが入っているため壊れやすい環境の中で、さらに噛みしめや食いしばりの強大な力がかかるためプラスチックの弱さが強調されて起きた現象なのです。では全ての歯に銀歯を入れればこの問題が解決するかといえばそうではありません。左側のご自分の歯は経年的に摩耗して低くなりますが右側の銀歯は硬過ぎて摩耗せず、左の天然の歯と右の銀歯の調和が取れないからです。人工物は元々の歯質の硬さに合わせるべきなのです。
行ったご提案・治療内容 欠けたり異常に摩耗させる根本原因であるこうした癖の軽減のため、歯と歯の接触に気を付けることや治療後にマウスピース(ナイトガード)を装着することが歯を守るために必要であること、また噛みしめ等の力に対抗できる材質(金合金)への変更をご提案しました。噛みしめる力は上下の歯に加わるため右下の歯と同時に右上奥歯(右上7番)に入っている銀歯も治療することもご提案しました。銀歯は歯より硬く噛み合う相手の歯を摩耗させることと、お口全体の硬さのバランスを崩して噛み合わせの狂いや、特定の歯に摩耗や力の負担をかける問題があるためです。

こうしたご説明とご提案をご理解いただけましたが、治療するなら白い歯がいいとのお考えにより金属色である金合金を避けセラミックに決まりました。上下の詰め物を外し、歯型を取った後仮歯をお入れしました。その次のご予約でセラミックを接着して治療は一旦終了しました。(右下6番・7番、右上7番)

しかしその2年後に右上7番のご自分の歯が一部欠けて来院されました。欠けた状態を放置すれば虫歯になりますので再治療が必要です。欠けた場所だけにプラスチックを入れても長持ちしないでしょう。理想はかけた部分を含んだ形に詰め物を作り直すことです。
最初に懸念していた食いしばり等の力に歯質が負けた結果にご本人は今度は金合金による治療を選択され、同時に他の銀歯も再治療をご希望になりました。(右上4番、6番、7番)
詰め物を外し歯型を取って作り直ししました。今回の治療後に右下7番も同じ理由で金合金に代わっています。(2回目の治療後写真)

治療期間 最初の治療は約3か月、後の治療は約2か月
治療回数
費用目安 最初の治療324,570円(仮歯を含む3本)
後の治療330,870円(仮歯を含む3本)
術後の経過・現在の様子 治療後も食生活や日常の問題はみられません。
ご自身でも日々噛みしめに気を付けながら付き合っていくしかないとおっしゃっておられました。
治療のリスクについて ・治療中に痛みを伴う場合があります
・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります
・治療後は神経が過敏になっているため、痛みが生じる場合があります
クリニックより 後日談ですが、この治療後右下7番の歯が欠け、さらに神経がなく強度が劣る右下6番の根が割れるという強すぎる力の弊害が立て続けに起こり、残った歯は全て金合金に、割れて失った歯はインプラントとセラミックに置き換わっています。(後日談の症例へ
多くの方々の食いしばりや噛みしめ癖による弊害が後を絶ちません。この無意識の行為のコントロールが現在の歯科の最大の課題といっても過言ではない状態が続いています。
この方も当初は白い歯をお望みでしたが、結果的には強度と程度な摩耗性があり耐久性に優れている金合金でしか歯を維持できませんでした。マウスピースも何度か壊れたり穴が開いて来院され作り直しを行っています。
慢性的に強い力をかける癖(歯ぎしり・食いしばり・噛みしめ癖)により歯やセラミックが欠けたり割れる場合、また歯の摩耗が起こる場合には2つの対処法があります。
上下の歯同志の接触に常に注意を払い、接触させる癖を克服する。
②マススピースを装着して歯の被害を軽減する。(最低でも夜間は装着)

金合金(PGA)など詰め物・被せ物の種類や特徴はこちらをご参照ください。