40代女性「噛む力で奥歯にヒビが入り詰めてあるプラスチックがかなり摩耗した」セラミック)を詰め直してヒビの拡大防止と噛み合わせを維持した症例
2023.08.23
治療前
治療中
治療後
年齢と性別 | 40代・女性 |
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ご相談内容 | 定期検診時に右下大臼歯(右下6番)にヒビが入っており、またその歯に詰めてあるプラスチックがかなりすり減っていることがわかりました。(治療前写真) |
カウンセリング・診断結果 | 治療前の写真では実際のヒビが見えにくいと思いますが手前の歯側に上下に僅か黒く映っているスジが見えます。ヒビが拡大すれば歯が欠けたり割れる可能性があり、またヒビから虫歯が発生するリスクもあります。さらに噛み合わせ部分に詰まっているプラスチックがかなりすり減っており、以前に治療した時より噛み合わせが低くなっていると思われ、このままでは噛み合わせがさらに変化し歯に負担がかかって歯の寿命を短くするリスクがあると判断しました。 またプラスチックが摩耗して噛み合わせが変化した結果、残ったご自分の歯質に噛む力がかかりやすくなりヒビが入った可能性も否定できません。 こうした現象が起こる原因は、通常の咀嚼を超えた強い力が考えられますが、他の歯には現象が見られないことから噛みしめ等ではなく噛む力が強いことが想像されました。 |
行ったご提案・治療内容 | 摩耗に強く耐久性があり金属製でない詰め物をご希望されていたため、現状のプラスチックと銀歯は選択外となり、ジルコニアとガラスセラミック(e-max)をご紹介いたしました。強度はジルコニアが勝るため、歯を削る量は少なくできます。しかしこの症例の場合、すでにある程度歯を削ってプラスチックが入っていたため削る量に大差はありません。見た目を最優先されたいご希望でしたので審美的なガラスセラミック(e-max)を選択されました。
詰まっているプラスチックを取り除き、ヒビ部分を取り込む形に歯を整形することでヒビの拡大を阻止しました。(治療中の写真) |
治療期間 | |
治療回数 | 2回 |
費用目安 | 102,360円(仮歯を含めて) |
術後の経過・現在の様子 | ヒビの拡大と詰め物の摩耗による噛み合わせの狂いを止めることができたため、日々の食事の不安解消とお口全体の歯の健康を向上できたと考えています。 現在も定期歯科健診とメンテナンスで維持されています。 |
治療のリスクについて | ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります ・装着に際し、天然歯を削る必要があります |
クリニックより | ガラスセラミックは透過性が高く、周囲の歯質の色調を反映するため非常に自然で綺麗なことがお判りいただけるでしょうか。そしてセラミックであるため、その美しさが長期にわたって失われることがありません。またガラスセラミックは落とせば割れるお茶碗と似て衝撃にはそう強くありません。しかし他の患者さんの経験から通常の食事で壊れた記憶はなく、何らかの問題が起こった時だけと思われます。 確かに安からぬ費用から壊れては困るお気持ちはよく理解できますが、そんな時にはご自分の歯でも割れたり欠けたりするのですから、それもリスクと呼んでいいのかどうかは患者さんのお考え次第だと考えています。それを避けたいお考えならば、金属やジルコニアが適していると思います。 金属製のものは壊れなくとも、それを支えている歯質が割れる症例をたくさん拝見しています。その点からすれば不測の事態にやり直しがきく人工物が壊れた方がご自身の歯にとってはいいのではないかと私は考えています。 |
セラミック(e-max)など詰め物・被せ物の種類や特徴はこちらをご参照ください。
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