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70代男性「歯並びが悪い下の前歯が虫歯になった」矯正せずに抜歯して歯並びを改善した症例

2024.01.22

治療前

70代とご年齢のこともあり歯と歯の間のお掃除が苦手な方で、前歯を中心に虫歯が散見されます。

さらに下の前歯が1本裏側に生えておられ、日々の清掃が困難な状態でした。虫歯になっておられました。このままの状態で虫歯の治療をして清掃しづらい箇所を残すか、思い切って抜歯をして磨きやすい環境を作るかご相談しました。

歯周病検査とレントゲンでは大きな異常は見られません。

治療後

抜歯後しばらくすると抜歯でわずかに開いていた歯と歯の間が閉じてきました。この状態なら歯磨きもしやすくなります。

内側に1本引っ込んでいた歯がなくなったため、裏側と歯と歯の間の掃除がしやすくなりました。

抜歯した両側の歯の虫歯はプラスチックをつめました。レントゲンで白く写っている場所です。

その他

治療から7年後です。大きな変化は見られません。

特に異常はありませんが、若干歯の清掃が悪くなってきていたためご説明いたしました。今後は検診とメンテナンスで維持していきたいと考えています。

年代と性別 70代・男性
はじめのご相談内容 歯並びが悪い下の前歯(左下1番)が虫歯になったとご相談を受けました。(治療前画像1の黒く影になっている部分)
診断結果 左下1番は右下1番と左下2番に隠れるように内側(舌側)に引っ込んで歯磨きが非常に困難なため虫歯になっていました。歯の先端は無傷でしたが、歯茎との境目(付け根)にかなり大きな虫歯が認められました。
通常は歯の中の治療(根管治療)を行い差し歯(被せもの)を入れる場合が多いのですが、歯の位置が変わらなければ再度虫歯になることが容易に想像できます。食べ物が残りにくく、また歯磨きがしやすくする根本的な治療が必要だと判断しました。
行った治療内容 前歯だけの矯正治療ができるケースではないため、矯正治療を行うとなると上下お口全体の治療が必要になります。ご高齢でもあり長期間の治療は避けたいとのご希望があり、お口全体の矯正治療は見送りとなりました。私も選択肢の一つとしてご紹介したに過ぎず、現実的でないと考えていました。

幸か不幸かこの歯の入るスペースが数ミリしかないほど両隣の歯が接近しているため、抜歯をして両隣の歯が多少でも移動すれば開いたスペースが少なくなる、またはスペースが残れば期間が短くて済む下の前歯だけの部分的な矯正治療を行えばスペースをなくすことができると考えました。この方針をご相談したところ、ご希望されましたので左下1番を抜歯しました。虫歯の進行は深く、抜歯途中で歯が虫歯部分で折れるほどでした。

抜歯翌日と3日後の消毒、1週間後に縫った糸を取り除き、後は傷の治癒と歯並びの変化を1ヶ月ほど経過観察を行いました。
幸いにも両隣の歯がほぼ接触する状態になったため、以降は何も治療は必要ないと判断して治療は終了しました。(治療後画像1~3)
このケースのおおよその治療期間 約1ヶ月
おおよその費用 保険の一部負担金
現在の様子 治療後は長年邪魔に感じていた歯がなくなりすっきりしただけでなく、食べ物が詰まらなくなり、歯磨きもしやすくなりました。
治療から7年が経過していますが、歯並びの変化や異和感など食生活や日常の問題はみられません。
治療のリスク ・外科処置後に腫れ、出血が続く場合ががあります
・外科処置後に痛みが長引く場合があります。必要に応じ痛み止めを服用する必要があります
クリニックより 食べ物が詰まりやすい場所はこのケースのように虫歯になったり歯周病にかかるケースが多いのが実情です。
ご自身では詰まった食べ物を取り除いたつもりでも残ってしまうことが原因です。
今回のように抜歯することで詰まらないように改善できるのは親知らずを除いて多くはありませんが、歯と歯の間に詰まる、歯と銀歯の境目に詰まるケースはよく目にします。
しみる・痛む症状がでたのでは手遅れですので、放置せず治療で改善しておくことでそれ以上の歯の被害を防止し歯の寿命を長くすることができます。

詳細は下記をご覧ください。
親知らずの抜歯