銀歯が取れたら真っ黒だった時に考えられること

銀歯変色

銀歯が取れた経験をお持ちではありませんか。その際に銀歯が入っていた歯が真っ黒になっていて驚かれた方もいらっしゃると思います。
銀歯が入っていた時には全く気付かずにいた状態に今更ながら怖くなったとよく伺います。

目次

銀歯が取れる原因

銀歯取れる前銀歯取れた時点
ではどうして銀歯が取れたのでしょうか。多く目にする原因は、銀歯と歯がピッタリ合っていなかった、銀歯の下が虫歯になった、銀歯を入れた歯の状態が悪い、食いしばりなど過剰な力をかけていることなどです。
虫歯になってさらに歯を傷つけることやまた取れる事を繰り返さないために、取れた原因を知ることは非常に大切です。
銀歯が取れた場合、内部が綺麗で、虫歯が無く、適合が良ければつけなおすことが出来ますが、基本的にはそのような条件の物はあまり取れてこないのが実情です。それでも取れた場合は以前の虫歯の形や場所、大きさなどにより取れやすい歯の状態になっているケースが大半です。
原因があっての結果ですから、単純に取れたから付け直すのは危険でもあるのです。

銀歯が取れたら真っ黒だった原因

取れた銀歯の下の歯が真っ黒になった原因は、虫歯と酸化(硫化)です。
その両方に共通するのは、銀歯の精度が悪く銀歯と歯の間に隙間があって歯にピッタリと合っていないことです。

虫歯が原因で歯が真っ黒になる

細菌の大きさは約1μmと非常に小さく、ピッタリと合っていない銀歯と歯のわずかな隙間や段差に入り込みます。虫歯の原因となる段差や隙間の中は歯ブラシが届かず虫歯の進行を止める事は出来ません。そのわずかな隙間の中で虫歯の原因菌が繁殖して虫歯が進行します。写真のグレー色の銀歯と薄紫色に染色した歯の境目の隙間から黒い虫歯が奥深くまで進行しているのがお分かりいただけるでしょうか。

虫歯の拡大により段々と健康な歯と銀歯を接着しているセメントの力が弱くなって何かのきっかけで銀歯が取れます。取れた時には銀歯の下が気付かぬ内に大きな虫歯となって黒く見えます。銀歯が取れる前には夢にも思わなかったこの落差に驚かれる方が多いのです。

銀歯の酸化や硫化が原因で歯が真っ黒になる

口の中に露出している銀歯の一部はお口の中に入ってくる様々なものの影響で酸化や硫化を起こします。銀歯の表面だけでなく、歯と銀歯の間に隙間があれば銀歯の下も同じ現象が起こります。 簡単に言うと銀歯のサビが歯質に入り込み歯が黒く変色することがあるのです。

銀歯の虫歯予防

銀歯が取れる前銀歯が取れた後
虫歯の原因はプラーク(歯垢)です。日々の食事で発生したプラークを取り除くことで虫歯の発生を防ぐことができます。しかし歯磨きしづらい場所、歯ブラシの毛先が入り込めない場所によく虫歯が発生します。歯の表面の溝、歯と歯の間、先ほどから問題視している銀歯と歯の間の隙間などです。
銀歯の隙間は精度の良い人工歯に置き換える事で予防することが出来ます。歯と歯の間は歯ブラシが届かないため、デンタルフロスをお使いください。 またデンタルフロスは歯と歯の間に出来た銀歯と歯の隙間や虫歯があるとフロスのほつれやちぎれがでます。この現象を確認することで虫歯や銀歯の不適合をご自身で見つける事も出来ます。簡易的な虫歯発見器になりえるのです。
虫歯の治療は遅れれば遅れるほどご自身の歯が失われるだけでなく、治療の規模が大きくなり寿命が短くなります。末永くご自身の歯でおいしく食べ続けるためには、早期発見早期治療がとても大切です。自己負担にはなりますが、歯とピッタリ合ったセラミックや金合金などに入れ替えるのも有効です。

銀歯を付けている歯が臭う

特定の歯から変な臭いがする、変な味がすることがあります。歯と銀歯の間に隙間があったり、虫歯で穴が開いていたりすると、食べ物が詰まって細菌が繁殖します。それにより臭いや変な味を感じることが起こりますが、同じ原理で歯とピッタリと合っていない銀歯が臭うことがあります。またそれが歯茎に近い所で起きれば歯周病が発病し、より一層異臭や変な味を感じやすくなります。
また銀歯に含まれる金属成分によって口の中に金属イオンが溶けだし変な味を感じることもあります。スプーンをなめて感じる味のような現象です。この場合は溶けづらい金属や全く溶けだすことがなく無味無臭のセラミックに置き換える方法があります。

一生自分の歯で食べるために

歯がしみる、血が出る、歯が痛いなどの症状で来院される事が大半です。こうした大きな問題になる前に、味や臭いなども含めて今まで感じたことが無いことが起きれば何かが起きている証拠だとお考え下さい。そして異変を感じたら歯科医院に受診することをお勧めいたします。病気が大きくなる前に治療が出来れば、歯の健康を損なう事も、治療期間も費用も少なくすることが出来ます。

我々歯科医師が日常的に行う虫歯治療は一度治療したところの再治療が多く、まったく治療していない歯の虫歯治療は少ないのが実情です。現在の歯科治療では元の歯に戻すことはできないため、一度治療をしてしまうとその歯は虫歯になりやすくなるからです。
今の問題ではなくとも銀歯と歯がピッタリ合っていない場所はいずれ虫歯になるリスクが高い場所です。最も大切なのは虫歯になって治療が必要になる事が無い状態にすることだと考えています。次に大切なのが治療した歯が再度虫歯にならない様にすることです。

これらを実現するためには、我々が提供する治療だけでは力不足です。 患者さんと、歯科医師、歯科衛生士と協力して行う予防が必要不可欠です。
幾度どなく治療を繰り返し、段々と治療が大きくなり、いずれ歯を失う。 こんな未来は誰も望んでいないと思います。
虫歯にならない。虫歯になったとしても最小限度の治療で済む。そんな歯科医療を提供できるよう努めています。一緒に大切な歯をも守っていきたいと私たちは考えています。

銀歯の見た目が気になる、歯の寿命をもっと長くしたい

「銀歯の金属色が不自然で目立つから白い歯に入れ替えたい」、「銀歯の下や周囲が虫歯になるのを避けたい」、そうしたお声をよく耳にします。
白い歯に戻すにはセラミックやジルコニア、虫歯を避けるには治療精度を向上させたセラミック、ジルコニア、金合金などがあります。

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