インプラントとは?メリット・デメリット、他の治療との違い
インプラントとは?
歯を失った場所にインプラントと呼ばれる人工歯根(歯の根に相当)をあごの骨の中に埋め込み、その上に人工の歯を取り付けて噛むことなどの機能や見た目や発音などの機能を回復する治療です。
天然の歯と同じように骨で支えられているため、びくとも動かず硬いものでも自由に噛むことができます。
一方で後で詳しく述べますが支えになる骨が外傷や歯周病で溶けてなくなるなど骨が少ない場合、骨粗鬆症や糖尿病などの全身疾患をお持ちの場合には治療ができないケースもあります。
・インプラント
・インプラントの種類
インプラント治療に欠かせない項目とは
当院の大切にしている事柄についてお話しさせていただきます。
・治療前のカウンセリング(治療の十分なご説明とリスクを含めた納得)
・術前・術後を含めた歯科医師との十分なコミュニケーション
・安全で確実なインプラント治療に必要な医療設備(清潔な治療環境、院内CTなどの医療機器)
・医学的に確立された治療方法に忠実で、知識・経験に裏打ちされた慎重で丁寧な治療内容
・維持していくための治療後の定期検診やメンテナンス(アフターフォロー)
治療前のカウンセリング(治療の十分なご説明とリスクを含めた納得)
インプラントには入れ歯やブリッジにない利点がありますが、インプラント治療は外科治療であるためリスクもあります。
ご自身の今のお困り内容や将来への不安など個人個人異なるご事情がおありだと思います。
また将来も含めたどのようなお口の中に、またどのような食生活をお送りになられたいのかなどのご希望もお持ちでしょう。
そうした事柄を解消・獲得できる方法にインプラント治療が最適なのか、それとも別の治療選択肢が相応しいのか、個別にご相談し一緒になってゴールを決めていくプロセスが治療へのご理解とご納得への最短の道ではないかと考えています。
インプラント治療を受けられる方、受けられない方
糖尿病などの全身疾患や重度の歯周病、インプラントを支える骨の量、食いしばり・噛みしめ・歯ぎしりなどの過度に歯やインプラントに慢性的に力がかかる癖などにより治療の可否が決まります。
よく年齢制限はありますかと聞かれますが、こうした病気などがなく健康であれば年齢制限はないとお考え下さい。
あり(多い) |
どちらともいえない |
なし(少ない) |
|
糖尿病・骨粗鬆症・心疾患・血小板減少症などの止血困難、心身症 |
× |
△ |
〇 |
重度の歯周病 |
× |
△ |
〇 |
骨の量 |
〇 |
△ (造骨治療で〇) |
× |
食いしばり・噛みしめ・歯ぎしり |
× |
△ (マウスピース装着で〇) |
〇 |
〇:受けられる、△:条件によって変わる、×:基本的に受けられない
・インプラントができない場合やインプラントに年齢の制限はありますか?
・骨が少なくてもインプラント治療を受ける方法はあるのか
・インプラント治療を受けられない人
・高血圧の人や喘息持ちの人はインプラント手術を受けられないのは本当ですか?
インプラントとその他の治療の違い、差し歯との違い
歯をなくした時の4つの選択肢をご紹介します。
1. 何もしないで放置する
2. 入れ歯を入れる
3. 歯を削ってブリッジを入れる
4. インプラントを入れる
この4つの選択肢の他に使っていない親知らずを移植する方法があります。
天然の歯と4つの選択肢の違いや特徴を簡単にご説明します。
何もしない |
入れ歯 | ブリッジ | インプラント |
天然の歯 |
|
噛める能力 |
×× |
× | 〇 | ◎ |
◎ |
他の歯への負担 |
×× |
× | × | ◎ |
◎ |
見た目 |
×× |
×~△ | 〇 | 〇 |
◎ |
耐久性 |
×× |
× (4~5年) |
△ (7~8年) |
〇 (10~15年) |
◎ |
歯を削る量 |
◎ |
△ | × | ◎(削らない) |
◎(削らない) |
この表からいかに天然の歯が優れているかお判りいただけるでしょう。
しかしその歯を失くしてしまった今、人の体には不要なものは一つもないため何らかの方法で補ってあげる必要があります。
今さしてお困りがない、面倒だと補給を怠ればこの先にもっと大きな問題となってくるからです。
例えば失った歯が担っていた噛むことなどの負担は他の歯がこれから長年にわたって肩代わりし続けることになるため、
年齢を重ねて老化していくその歯の負担が大きくなりその歯の寿命が短くなることです。
・歯がないのですが、入れ歯、ブリッジ、インプラントどれがいいのですか?
・入れ歯・ブリッジ・インプラントどれがいいか
・インプラントと天然歯の違い
インプラントと差し歯の違い
インプラントは骨の中に植えた人工的な歯根(歯の根に相当)でその上に人工の歯を装着する治療です。
差し歯はご自身の歯に被せる人工の歯を呼ぶ通称です。歯を失った時は入れることができません。
ただし前後の歯に差し歯を入れて失った部分の人工歯とつなげるブリッジは歯の状態によって可能です。
インプラントのメリット・デメリット
歯を失くした際に最も構造的にも機能的にも天然の歯に最も近いとはいえインプラントは天然の歯を超えるものではありません。
最も天然の歯に近いなら歯を失った全てのケースでインプラントを入れるべきでしょうか?
私はそうは思えません。インプラントにはメリットとデメリットがあり、メリットがデメリットを上回りリスクを含めて納得をされ、さらにご自身のご希望が叶うのであれば実施することに賛成です。
しかしそうでないのであれば他の選択肢をご検討されることに賛成です。
この判断をするために事前に十分なご説明とご理解が必要です。そのためまずメリットとデメリットについてお話ししたいと思います。
インプラントのデメリット
・天然の歯より歯周病に弱い
・外科手術のリスクがある
・全身疾患、骨の量など治療の制限がある
・治療費が高額
・治療期間が長い
インプラントのメリット
・咬合支持能力が優れている(他の歯に噛む力の負担をかけないためその歯の寿命にプラス)
・天然歯と同じように噛める
・異物感がない
インプラント治療方法の具体的な流れ
1.カウンセリング
2.検査・治療計画のご説明
3.一次手術(インプラントを植える手術。インプラントは歯茎の下に潜っています)
4.経過観察(骨とインプラントがくっつくのを待つ期間)
5.二次手術(歯茎の下に潜っているインプラントをお口の中に露出させます)
6.土台と仮歯の装着(仮の歯でかみ合わせや異物感・審美性などを日常生活でチェックします)
7.最終的な人工歯の装着
症例により異なりますが、ここまでのおおよその治療期間は3~6か月程です。
8.定期検診とメンテナンス(長持ちさせるために必須です)
・もっと詳しく
インプラント治療をご希望される方へ
費用・料金
当院は大まかにはインプラントを植える手術費、骨とくっついた後に歯茎の下に潜っているインプラントの頭出しをする2次手術費、
インプラントにつけた土台に人工の被せ物を装着する費用に分かれています。
この他に仮歯の費用などもあります。また被せ物にも選択肢があります。
骨造りが必要ないインプラント治療全体でおおよそ43万円から47万円ほどとお考え下さい。
・料金表
起こり得るリスク・注意点
・治療のリスク
外科治療のリスク、神経・血管の近い場所のインプラントの場合それらの損傷リスクがあります。
・歯周病のリスク
天然の歯より若干感染に弱い傾向にあるため、お口の中が不潔になると歯周病(インプラント周囲炎)を起こすことがあります。
ただし天然の歯も同じ環境下では歯周病になります。インプラントだけでなくご自身の歯のためにも清潔なお口の中を保つようにお願いします。
・定期検診とメンテナンスは必須です
インプラントと土台や人工歯をネジ止めする構造のため、経時的にネジが緩むことがありますので、6か月ごとの定期検診を必ずお受けください。
また定期検診間にメンテナンス(クリーニング)で病気になりにくい体にされることをお勧めします。
・噛みしめ・食いしばり・歯ぎしり等のリスク
噛みしめ・食いしばり・歯ぎしりの慢性的な強すぎる力がかかると、天然の歯と同様に損傷することがあります。
インプラントの寿命、インプラントの失敗
入れ歯の4年、ブリッジの7年に比べて長いとはいえ形あるものには寿命があると考えています。
10~15年といわれていますが、お口の中の管理や体質によって長短があります。
詳細は下記の記事をご覧ください。
・インプラントの寿命
・インプラントはどれ位持つの?
・インプラントの成功率と長持ちの条件とは
骨が少ない時の骨誘導再生法(GBR)
インプラントは歯と同じように骨で支えられているためびくともせず硬いものでも噛むことができます。
逆から見れば支える骨が少ない場合にはインプラント治療が受けられないことになります。
骨の少ない程度によりますが、骨を増やして(造骨治療)インプラント治療を可能にする治療法があります。
それが骨誘導再生法(GBR)と呼ばれる治療です。
骨の成分と近い人工材料で骨を誘導して骨の量を増やすことができます。
ご希望の方は適応症の可否がありますのでご相談されてみてください。
・骨が少なくてもインプラント治療を受ける方法はあるのか
インプラントについてよくある質問
・どのインプラントがいいのか
・たくさんの種類がありますが、インプラントはみな同じですか?インプラントを決める時は何を基準に行えばいいですか?
・インプラント治療は痛い?
・インプラント治療は痛いイメージがありますが、治療は大変ですか?
・歯がないのが不便です。入れ歯やインプラントどれがいいのですか?
・インプラントができない場合があるのはどうしてですか。また若年や老年など年齢による制限もありますか?
・インプラントに反対する15の理由、賛成する理由
当院のインプラント症例
・30代男性「歯がボロボロでよく噛めないので何とかしたい」多数歯の治療で歯に自信が持てるお口の中に改善した症例
・40代女性「セラミックが入っている前歯の歯茎が痛い」歯を抜歯しインプラントで外見と食生活を維持した症例
・50代女性「以前の歯の治療後から奥歯のかみ合わせが悪くなった」歯周病治療とインプラントを併用したかみ合わせ治療後にセラミックに入れ替えた症例
・50代男性「奥歯で噛むと痛い」抜歯後インプラントを入れた症例
・50代男性「左下銀歯ブリッジで噛むと痛い」ブリッジをやめてインプラントで噛める生活を取り戻した症例
・50代女性「右下の被せ物が何度も壊れる」インプラントで残った歯の負担を軽減し歯の寿命を伸ばした症例
・その他のインプラント症例(26更新中)